AI執筆ツールはAJEの英文校正サービスへの助けとなるか、脅威となるか?
1980年代にスペルチェック機能が登場して以来、コンピューターユーザーたちは人工知能(AI)を搭載した執筆ツールを活用してきました。一方、需要に応じた開発も長年にわたって続けられており、AIにもとづく新たなツールやサービスは毎日のようにリリースされています。しかし、こういったAI執筆ツールの目的やクオリティは千差万別。実際、インターネットで「AI執筆ツール」と検索すると10億件もの結果がヒットするため、「自分の原稿執筆にもっとも適したツールやサービスはどれか?」「自分の研究分野ではどれが一番信頼できるのか?」といった疑問が生じることでしょう。
最終更新日:2023年3月28日
1980年代にスペルチェック機能が登場して以来、コンピューターユーザーたちは人工知能(AI)を搭載した執筆ツールを活用してきました。一方、需要に応じた開発も長年にわたって続けられており、AIにもとづく新たなツールやサービスは毎日のようにリリースされています。
しかし、こういったAI執筆ツールの目的やクオリティは千差万別。実際、インターネットで「AI執筆ツール」と検索すると10億件もの結果がヒットするため、「自分の原稿執筆にもっとも適したツールやサービスはどれか?」「自分の研究分野ではどれが一番信頼できるのか?」といった疑問が生じることでしょう。
さて、道具の常として、AI執筆ツールの長所・短所も開発のいきさつや利用法に大きく依存します
AI執筆ツールはAJEの英文校正・編集サービスにどのように役立っている?
American Journal Experts(AJE)では400以上の専門分野に関する専門知識と最先端技術を組み合わせ、研究者に業界で最も効果的で信頼性の高いデジタルサービスを提供しています。当社ならではのAIツールと専門家による知識のコラボレーションによって、あなたの論文原稿に大きなメリットをもたらすことをお約束します:
1) プロの専門知識に基づいて構築されたAI。
何百人もの高度な学位をもつ熟練の編集者が作成した数百万件にものぼる英文校正・編集の事例を収集し、効果的にAIツールをトレーニング。その上で英文校正サービスに組み込みました。
2) 学術研究に特化。
AJEは20年近くにわたり、研究者が科学原稿をトップジャーナルに投稿するための準備を支援することに特化してきました。当社の編集者は科学に関する447の研究分野および2000以上の分野別テーマに精通した専門家です。当社のAIは彼らの専門的な経験からじかに生み出されたものです。
3) 当社のスタンドアローン型AIデジタル編集が、あなたの英語論文を磨き上げます。
当社のデジタル編集サービスは6分未満で95%の精度を誇る英文を提供し、目標とする学術ジャーナルでの出版に向けて、原稿準備をサポートします。Nature Researchの500件以上の論文原稿を対象に行った試験では、AJEデジタルを利用した原稿はそうでないものに比べ、最大10%アクセプトされる可能性が高いという結果が得られています。
4) AIによるデジタル編集プロセスは、当社の編集者によるプロの英文校正の基盤となるステップです。
この初期ステップが完了すると、プロの校正者があなたの原稿に向き合います。文章の一貫性や分野固有の用語に不備はないか、ジャーナルの投稿規定に準拠しているか、といった項目について徹底的にチェックすることができます。これにより、非常にクオリティの高い英文校正・編集を受けられることが保証されます。
5) AIモデルの改善に日々、取り組んでいます。
お客様からのフィードバックや英文校正に関する専門知識、分野固有の専門的なデータを取り入れることで当社のツールは日々進化を続けています。したがって、常に業界最先端のAIツールによる校正サービスをご体験いただけます。
AI執筆ツールはどのような点で英文校正サービスの脅威となり得るのか?
AIによる文章生成の出現に伴い、科学的なトピックを扱った文章を生成できるツールも市場に出回り始めています。この状況は英文校正・編集サービスに対する脅威となる可能性があります。というのも:
1) こういったツールは新たな知識を創造しておらず、研究を実施して関連付けを行ったり結論を導き出したりするわけではない。
AIによる文章生成は既存データを組み合わせて出力する巨大な言語モデルに基づいており、統計学的に見て平均的な知見に到達することしかできません。つまり、ユニークな視点をもたらしたり未知の相関を突き止めたりすることは不可能です。
研究によれば、こういったAIツールには複数の段落を含む論文を一貫性や論理的整合性、独自性を失うことなく執筆する上で不可欠なシステマティックな論理的思考力が欠けているとされています。この欠点は、学術研究や科学系の話題に対してAIツールを活用しようとする際に大きな問題を引き起こします。
2) こういったツールの作成する文章は無個性で、同じような結果しか得られない。つまり、執筆者の声だけがもつユニークな文体や独自性を再現することができない。
人間の筆者は執筆を進める中で書き直しや推敲を行い、新たなアイデアや相関に気づいた場合には内容にも手を加えます。しかし、AIツールに搭載されている線形的な思考プロセスではそのような創造力や個性を生み出すことができません。
実際、GPTZeroをはじめとする現行のAIコンテンツ検出手法ではこのような人間味のなさが判定基準になっています。つまり、こうした検出ツールは人間の文章にありがちな奇抜さや非論理性、あるいは誤りがまったくない「完璧」すぎる文章に目を付けるわけです。
3) ChatGPTをはじめとするAIツールは、正確性を確認することなく、誤った引用文を生成してしまう。
AIツールはどれも限りあるデータセットに依存しており、データの正しさを確認するために外部の情報源にアクセスする機能がありません。同じ理由から、AIツールは信頼できる情報源とそうでないものを見分けることもできません。
2022年にプレプリントで公開された研究によれば、研究者たちはAIチャットボット「Sparrow」が生成する返答の最大20%に誤りがあることを突き止めています。さらに、同年11月には、Meta社が研究用途向けに開発した巨大な言語モデル「Galactica」でも、ユーザーから事実と異なる誤り について多数の報告が寄せられたため、リリース直後に一般利用を停止しなくてはならないという事態となりました。
AI執筆ツールがもたらすその他の影響
2) AIツールは論文発表のスピードアップに役立つ可能性がある。
AIによる文章生成を学術研究向けの便利な執筆ツールに発展させるには、倫理的な問題をはじめ不透明な点が少なからず残されています。しかし、すでに有用性が実証されている他のAIベースのツールもあります。
執筆者にとって、Research Rabbitをはじめとする文献検索・マッピング用ツールやSummarizing Toolのようなコンテンツ要約ツールは、他の研究活動にあてる時間を作ってくれる可能性を秘めています。また、Grammarlyをはじめとする文法チェックツールを活用して執筆を行い、原稿完成後にAJEのデジタル英文校正のような編集ツールを利用すれば、原稿の徹底的な編集と学術ジャーナル投稿に向けて迅速化することができるでしょう。
一方、編集者や査読者にとっても、骨の折れる作業をサポートするために開発された専用AIにアクセスできるということは大きなメリットになります。これらのツールは投稿された論文の主旨が当該ジャーナルのターゲットに当てはまるかどうか即座に判断してくれるほか、剽窃や二重投稿を発見したり実験デザインや統計分析の妥当性を評価したりする上でも役立ちます。
3) 学術ジャーナル各誌がこぞって新たなポリシーや投稿規定の策定に追われています。
AIにもとづくコンテンツ生成ツールが次々に誕生する事態を受けて、学術ジャーナル各誌は研究分野における未知の問題を避け、科学研究の信頼性を守るためにガイドラインの制定を急いでいます。各誌が掲げるポリシーには差異もありますが、透明性と説明責任を人間の著者にしっかりと負わせるという共通の基盤に基づいています。たとえば、Natureの新たなポリシーでは、ChatGPTをはじめとするAIツールによって生成されたコンテンツは研究遂行の一手法であると見なされ、原稿内の適切なセクションで言及するよう求められることになりました。
また、ツールそのものは論文のいかなる部分についても説明責任を果たすことができないため、執筆者とは見なされません。
一方、JAMAの執筆者向けガイドラインでも全誌を通じてAIによる共著が禁止されたほか、AIを利用する場合には適切な引用と報告を行うことが義務付けられるようになりました。つまり、AI執筆ツールによって生成された内容を取り入れる場合の責任はすべて執筆者が負うことになっているわけです。