可算名詞は個別の物体であり、数えられるものです。質量名詞は、不可算名詞と言われることもあり、個別化されない塊や材料の集まりを指します。例えば、I'm all out of a water. とは言いません。これは正しくは、I need a little water または I need a few bottles of water と言います。この例では、water(水)は質量名詞であり、bottle(瓶)は可算名詞です。同様にして、実験について記述するとき、質量名詞は、特定の単位を付け加えることによって定量化されます(2 ml of water など)。実際、瓶またはミリリットルを選択するかにかかわらず、質量名詞は定量化するために計測単位を必要とします。計測単位は複数形で、質量名詞(water)は変らないことに注意してください。
Data と research は、科学の世界で頻繁に使われる2つの名詞ですが、簡単に見えて取扱いが難しい言葉です。
(media や spectra と同様に)data は、一般的に、複数形(単数形は datum)として、教えられています。ほとんどの文脈において、data という単語は、特定の数値による結果を指しており、したがってこれは複数形の可算名詞として取り扱い、これに相当する動詞の形態を使用しなければなりません。
- The patient data are sorted in Table 1.
- Data were collected retrospectively from patient medical records.
しかしながら、この規則は絶対ではなく、科学的背景次第で、data が質量名詞として単数形で使用される場合があります。例えば、Ars Technicaでは、、Chris Foresman examines how securely user data is stored by Apple's iCloud serviceといった表現が見られます。同様にして、次のPLOS ONEの論文では、題名にdataの単数形が使用されています。Clickstream Data Yields High-Resolution Maps of Science。コンピュータサイエンスの世界では、data は質量名詞として単数形で使用されることが多く、コンピュータ科学者は、アクセスしたり格納したり、処理される情報の塊を表わすために *data* という単語を使用しています(informationも、質量名詞の良い例です)。
research は、data とは異なり、常に質量名詞として使用しなければなりません。一部の人は、research を無理に複数形(researches)にしようとしますが、この使い方は非常にまれで、レビュアーを戸惑わせることは確実です。research は質量名詞であるため、(current research in the field)や具体的なプロジェクトに関わる仕事(our research focused on the following objectives)など、広範囲の文献を指す可能性があります。問題となる research を定量化する必要がある場合、study/studies を使用するようにしてください(In total, 28 studies were included in this review など)。次の例を検討してください。これもPLOS ONEから引用しています。
- A Comparison of *rpoB* and 16S rRNA as Markers in Pyrosequencing Studies of Bacterial Diversity
- Aggregating, Tagging and Integrating Biodiversity Research (not Researches)
Data と research に関連するよく見られる文法的な取り違えを回避する上でこのアドバイスと例がお役に立てば幸いです。