プレ査読とは何か、なぜそれが重要なのか?

AJEのプレ査読サービス(Presubmission Review)は、専門の編集者による貴重なフィードバックと推奨事項を提供し、著者が投稿論文の明確さ、構成、全体的な質を向上できるよう支援します。

最終更新日:2023年7月5日

What is Presubmission Review, and Why is it Important?

研究者は、自分の原稿や助成金提案書が出版や資金提供の対象に選ばれず、ショックを受けることがあります。これらの投稿の中には、研究の重要性が明確でないものもあります。一部の原稿は、事実のバラバラなリストとして提示されていました。他の論文では、倫理声明などの重要な詳細が欠落している場合もあります。

このような著者は、過去に戻りたいと願うかもしれません。過去に戻れば、不採択の通知のフィードバックを参考にして投稿前に原稿や申請書を修正することができるからです。

AJEはタイムトラベルのお手伝いはできませが、AJEのプレ査読サービス(Presubmission Review)を利用すれば、著者は原稿やプロジェクト提案書を提出する際に致命的なミスを犯さないようにすることができます。

プレ査読とは?

プレ査読サービスでは、AJEの専門エディターからの推奨事項により、著者は査読者が自分の論文をどのように評価するかを知ることができます。この情報から得た知識により、これらの研究者は投稿前に論文や企画書を修正することができます。

全体的な評価

論文がジャーナルによってリジェクトされる理由の一つに、論理的な構成や明確なプレゼンテーションが不足していることが挙げられます (1)。研究の目的を明確に説明できなかったり、その重要性を示せなかったりすることが、助成金申請が失敗に終わる理由に挙げられています (2)。明らかに、著者が自分の研究が出版や資金提供に値すると査読者を納得させるには、優れたアイデアや確かなデータ以上のものが必要です。

プレ査読サービスを利用する著者は、自分の論文の全体的な評価を受けます。経験豊かなエディターによって論文に直接追加されるコメントを通じて、著者は次のような点にさらに注意を払う必要があることに気づくことができます。

  • 研究の主要な目的に読者の焦点を合わせる
  • 自然に流れる物語性を確立することで、読みやすさを向上させる
  • 構成の論理を最適化することにより、セクションを明確にする
  • 倫理および研究フィールドの基準が満たされていることを読者に保証する
  • 適切な詳細度で情報を提供する

具体的には、プレ査読を通じて、論文の構造、一貫性、詳細度が評価されます。その後、著者は、査読者の関心を引きつけ、関心を維持し、研究の重要性を納得させるために、さらに修正が必要な箇所を示す推奨事項を受け取ります。

著者は、抄録(Abstract)の客観的な記述から考察(Discussion)における結論に至るまで、原稿全体を通して読者をガイドする必要があります。したがって、プレ査読の編集者は、論理的な形式でセクション内やセクション間に情報を配置することを提案することで、著者をサポートします。

  • 例えば、研究の明確な根拠を示すために、著者は考察で提示した背景情報を序論(Introduction)に移動するよう求められることがあります。

著者は、背景情報、データの提示、および結論が主目的と一致していることを確認するための推奨事項を受け取ります。

  • 例えば、「要旨」、「序論」、「考察」の記述に矛盾がないよう、研究の根拠と目的を再掲するようアドバイスされることがあります。

読みやすさを向上させるために、簡素化が提案されることもあります。

  • 例えば、著者は長い段落を分割したり、段落をつなぐ移行文を追加するよう求められるかもしれません。

さらに、著者は、詳細を追加、明確化、または削除する必要がある箇所を学びます。

  • 例えば、対照群の定義を追加したり、実験条件、フィールドサイト、またはサンプルのサイズや場所に関する説明を求められることがあります。

データによって裏付けられていない記述の削除や修正を検討するよう求められることもあります。

同様に、著者は結果の重要性を明確にするよう求められます。

  • 例えば、研究の実用的な側面や社会的な影響を明らかにするように求められることがあります。

プレミアム校正の追加サービスとして

プレ査読は、AJEのプレミアム校正サービスをご利用のお客様向けの追加サービスです。AJEの英文校正者が原稿や助成金申請書の言い回し、明確さ、文法などを校正した後、原稿校閲者による投稿前校閲を行います。校正された論文は、改善案が余白部分に追記された形で返却されます。

プレ査読の編集者が文章を削除したり、追加したりすることはありません。著者が最終的にジャーナルや資金提供機関に提出する前に、実施すべき推奨事項を提案します。

臨床科学、生命科学、化学、地球科学をサポート

AJEの英文校正者と同様に、プレ査読の編集者は、研究分野に基づいて原稿とマッチングされます。臨床科学、生命科学、化学、地球科学の原稿は、高度な学位を持つAJEの編集者が審査します。これらの分野の研究論文、総説、助成金申請書は、プレ査読サービスの対象となります。

プレ査読と英文校正の違い

プレ査読の編集者は、論理、流れ、科学的な詳細の問題に取り組みます。一方で、英文校正者は、文法、スペル、語彙の修正を行います。

研究者にとってなぜプレ査読が重要なのか?

ジャーナルには、構成と一貫性に関する高い基準がある

査読付きジャーナルで論文を発表したり、資金提供団体から支援を受けたりするための競争は熾烈です。例えば、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)が過去5年間に実施した「競争的助成金提案」に対する助成率は23~25%で、助成金申請者に授与された助成金は全体の70%に過ぎません (3)。

ジャーナルによる原稿の受理率大きく異なります (4,5)。さらに、出版の需要増加に対応するため、ジャーナルの数は2008年から2018年までの間に年間4%の割合で増加しました (6)。

これらのデータは、効率的に査読をしなければならない大量の投稿があることを示唆しています。さらに、編集委員会や管理委員会は、倫理的な慣行に大きな期待を寄せています。

そのため、ジャーナルと資金提供機関には、構造と一貫性に関する厳格な基準を維持する義務があります。プレ査読(Preubmission Review)の提案を取り入れた著者は、適切な免責事項や倫理声明とともにまとまりのあるプレゼンテーションを提出し、これらの高い基準を満たす可能性が高まります。

校正だけでは不十分

提出する原稿には、スペルミス、誤字脱字、句読点、文法上の誤りがあってはなりません。したがって、校正は準備の重要なステップです。しかし、これらの最低限の要件を満たすだけでは、全体の構成が明確で説得力のあるものになるとは限りません。

プレ査読で時間を節約

原稿や助成金の審査決定までの期間は、数週間から数ヶ月とさまざまです。多くのジャーナルは、論文が他のジャーナルでレビュー中でないことを条件としているため、リジェクトされると出版が数ヶ月遅れることもあります。リジェクトが2回以上続くと、データが何年も出版されないことにもなります。

プレ査読サービスを利用すれば、リジェクトによる遅れを防ぐことができます。さらに、論文は大幅な修正が必要ない場合もあり、それには時間のかかる書き直しや、査読者への詳細な回答や再評価が必要ありません。

プレ査読で、出版や資金提供の可能性を高める

プレ査読サービス(Presubmission Review)を通して、著者は、その分野で出版された論文や資金提供された申請書と矛盾しない構成を提示することができます。著者は、公正な評価を受けられるという確信を持って論文を投稿することができます。

終わりに

プレ査読の編集者は、著者が資金調達と出版という目標を達成する手助けをします。さらに、これらの著者は将来のプロジェクトに適用できるベストプラクティスを学ぶことができます。

参考文献

  1. Springer Nature. 2023. Common reasons for rejection. Accessed May 6, 2023, from https://www.springer.com/gp/authors-editors/authorandreviewertutorials/submitting-to-a-journal-and-peer-review/what-is-open-access/10285582
  2. National Institutes of Mental Health. (n.d.). Common mistakes in writing applications. Accessed June 9, 2023, from https://www.nimh.nih.gov/funding/grant-writing-and-application-process/common-mistakes-in-writing-applications
  3. National Science Foundation. Funding and support descriptions. (n.d.). Accessed June 10, 2023, from https://www.nsf.gov/homepagefundingandsupport.jsp
  4. Herbert, R. (2023). Don’t worry about journal acceptance rates —and here’s why [sic]. Times Higher Education. Accessed June 10, 2023, from https://www.timeshighereducation.com/campus/dont-worry-about-journal-acceptance-rates-and-heres-why
  5. Björk, B. (2019). Acceptance rates of scholarly peer-reviewed journals: A literature survey. Hanken School of Economics, Information Systems Science, Helsinki. Accessed June 10, 2023, from https://helda.helsinki.fi/dhanken/handle/10227/254784?show=full
  6. National Science Foundation/National Science Board. (n.d.). Publications output: U.S. trends and international comparisons. Accessed June 10, 2023, from https://ncses.nsf.gov/pubs/nsb20206/publication-output-by-region-country-or-economy 
著者
タグ
プレ査読
目次
メルマガに登録
AJE Scholarの最新記事やお得なクーポンをいち早く入手するために、メルマガに登録しましょう

プライバシーポリシー